翠の国までは、邑楽の紙のおかげか、疲れを感じることなく一気に向かうことが出来た。

翠城に単身乗り込むことには多少杞憂もあったが、思ったより兵は少なく、俺は底上げされたヒトとしての力で兵をさばいていった。

それに見た目ですぐサムライとわかることで恐れおののき、かかってくるものもほとんどいなかったのが幸いした。

本丸の門扉には、ヨロイが鎮座しているのが見えた。

ヨロイ乗りはもう同調しているのだろうか。

すると、力で押し進む俺をヒトで抑えることは出来ないとようやく悟ったようだ。

腹に響く起動音がして、ズシャリ、とヨロイが四本の足で立ち上がった。