「普通…親兄弟でも手ぇ繋いで寝るなんてしねぇもんなぁ…。」 「うんっ。」 「俺も初めてだよ。少し、緊急するな。」 「…うん…。」 「じゃぁ…寝よっか?」 俺は部屋の電気を消すと、自分の布団の敷地内で香織に一番近い場所に寝転んだ。 これから手を繋ぐんだ…。 手を繋ぐってこんなに緊張するんだな…。 俺は暗闇の中で香織の手を見つけると、精一杯優しく握った。