―――シューーーッ……――


花火大会が始まった。



花火大会って言うにはかなり小さいけど…。



みんな順番にロウソクから火を移して綺麗な光を放つ。

自分の花火に火が点くと、ハイテンションになる。

「コレ黄色~!!」

「こっちは緑ぃ~!!」

「次はこれ~!」


花火をやっていくうちに、さっき感じた寂しい気持ちが消えていった。



まだまだアタシ達は子供なのかな…。

時々吹く風に火が消されると、優人が『やれやれ…』なんて言いながらまた火をつけてくれる。

そんな姿を見ていると、大人にはまだ程遠いような気がした。



あれから一時間以上花火をやった。

思っていたより花火が沢山あって、全部やり遂げた。

多さ故に達成感も感じた。



最後の大きい花火が終わると、優人は女将さんに挨拶をして帰って行った。


優人が帰ってからあっという間に時間は過ぎて、アタシ達の海水浴は終わった。