「ケイト・ニールセン?」
その青年は、渡された名刺に怪訝な表情を浮かべた。
25歳ほどの外見に金のショートヘア、印象的なエメラルドの瞳に整った顔立ちは充分に女性を惹きつける。
細身であるが、よく見れば服の上からでも鍛えている事が窺えた。
青年は目の前にいる女性に眉をひそめ、名刺に目を移す。
そこには、フリーのジャーナリストと記されているが……
「私に何の用だね」
その言葉遣いに、ケイトは若干いぶかしげな表情を浮かべた。
緩くカールした金髪を後ろで一つに束ね、魅力的な大きめの青い瞳。
青年と同年代ほどだと思われるが、その肩には一眼レフが提げられていた。