「フン!余計な真似を」

真由は顔をしかめた。

「さらに、リンネ様よりプレゼントがございます」

刈谷の言葉に、真由は合宿所の方に目を向けた。

「フン」

真由は、隠密部隊と魔物がやり合っている地点に向けて歩き出した。

その後ろ姿に頭を下げながら、刈谷はほくそ笑んだ。

完全に気配が消えたことを確認すると、刈谷は頭を上げ…立ち上がった。

「女神ソラよ。あなたの宴は、単なる余興に過ぎない。その後こそが、真の宴が始まる」

そう言うと、立ち去ろうとした刈谷は、地面に転がる百合花達の死体に気付き、足を止めた。

「この世で美しくないものは、一つだけある」

刈谷が、百合花達を睨むと、火がついた。

一瞬で、灰になる死体を…刈谷は見ることはない。

背を向けて、森の中を歩き出した。

「それは…人間だ」

刈谷がいなくあった後、灰は風に飛ばされ…完全にこの世から消えてなくなった。