梅から配られた部屋割り表に従って、生徒達は散り散りに割り当てられた部屋に向かう。



「いいか!」

部屋割り表を配る前に、玄関から一階の殆んどをしめる大広間に生徒達を集め、前田が告げていた。

「この合宿に、決まりはない!ここから結界を出て、一週間島の中で生活していいし!自ら食料を確保できないならば、この合宿所に戻り、食事をしてもいい!自分の中で、決めたプランに従え!」

九鬼が、1人1人に手渡しで、部屋割り表と一緒に、この島の地図を配った。

「だか、一つだけ気をつけて欲しい!島の真ん中にある湖の向こう側には行くな!そこは、レベル50以上の魔物がうじゃうじゃいる!余程のことがないかぎり、こちら側には来ないがな」

前田の説明に、高坂は思わず地図を握り締めてしまった。

前に島に来た時、結界前まで、レベルの高い魔物は来ていた。

高坂の脳裏に、魔物達に蹂躙される武装した生徒達の最後がよみがえる。

(やつらは、人間の味を覚えたはずだ!)

高坂は、大広間にいる生徒達の顔ぶれを確認し、

(やはり…編成が大事だな。精鋭部隊を編成して、危険な魔物を先に駆逐するか)

高坂は頷き、頭の中で編成を考えていた。

(俺に…生徒会長。それに…さやか)

と考え悩んでいると、前田の口から衝撃の言葉をが発せられた。

「しかし、1人で行動するのは禁止する!こちらで決めたグループ内で、行動してくれ。将来、パーティーを組むとき、同じレベルばかりとは限らないからな」



「はあ?」

高坂が現実に戻った時、パーティーの編成は決められていた。

高坂の周りに集まったのは、輝に梨々香…そして、十六小百合。あとは、唯一まともそうな空手部の打田直美であった。

30人いる生徒達は、6人一組で、5チームに別けられた。

「ば、罰ゲームだろ…」

集まったメンバーに、肩を落とす高坂の前に、最後の1人が来た。

「よろしくね。部長さん」

その声に、高坂は顔を上げた。

「き、君は!」

目の前に、笑みを浮かべた綾瀬理沙が立っていた。