「…」

「…」

無言で睨み合う2人。

そんな様子を見て、ギラは頭をかくと、2人の間に割って入った。

「まったく〜。俺の時は抑えやがったくせに」

横目でサラをちらっと見た後、リンネの方に体を向けた。

「例え…赤星浩一が復活したところで、怖じけづく我らではないわ」

ギラはリンネを睨むと、右手を向けた。

「それに、今の話!騎士団長にあるまじき言葉!敵を恐れ!主をお救いせぬとは!魔王軍の恥!」

ギラは、手のひらを開いた。

「貴様に、今の地位は必要ないわ!」


ギラの雷撃が、自分に向けて放たれようとしているのに、リンネは動かない。

ただせせら笑った。

「貴様!」

ギラが雷撃を放とうとした瞬間、サラが右腕を掴んだ。

「やめろ」

サラは力ずくで、腕を下げさせた。

「サラ!邪魔をするな!」

また腕を上げようとするギラに向かって、サラは口を開いた。

「やつは、赤星浩一をそういう意味で恐れている訳でない!」

「何!?」

「やつは…」

サラは、リンネに顔を向けた。

「赤星浩一に会いたくないだけだ」



「何を言っている?」

リンネは、目を細めた。

サラはじっと、そんなリンネを見つめ、

「私にはわからんが…あやつは、赤星浩一に会うのが、怖いのだ」

「何を…意味がわからんことを!」

「あやつの妹…フレアのようになるのが、怖いのだ」
「何をわからんことを!!」

リンネがキレた。

全身が炎で包まれた。

「そんな感情!騎士団長には、無用だ!」

サラは腕を突きだした。


「やめよ!」

その時、リンネとサラの間に、カイオウが割って入った。

2人を睨むと、

「我らは、ライ様の魔神。ライ様の命でのみ動く者!ライ様は、封印される前、我らに命じられた!赤星浩一を討てと!」

ギラも見て、

「それだけが、我らに許されたことだ!」

言葉を告げた。


「く!」

カイオウの言葉に、サラとリンネは攻撃体勢を解いた。

そして、会合は終わった。