「!?」

まだ痛みで、顔をしかめていた浩也に向かって、無数の火の玉が襲いかかる。

「坊や!」

フレアは、浩也の前に飛び込むと、盾となった。

「お、お母様!」

はっとした浩也は慌てて、痛みをこらえ立ち上がった。

「坊や…」

すべてを受け止めたリンネは振り返り、浩也に向けて微笑んだ。

「大丈夫だからね」

そして、前を向くと、リンネを睨んだ。


「お前が…あたしに勝てて?」

リンネは笑い、両手を突きだした。すると、両手が赤く光だした。

「終わりよ」

リンネは、フレア達を睨んだ。


「お母様!」

信じられない程の魔力を感じ、浩也は走り出した。

「浩也…大丈夫よ。あたしが、あなたを守るからね」


「フレア!」

赤い光が放たれようとする。


「愛しい…あたしの坊や…。今こそ、あなたの為に封印を一つ解きます」

「お母様!」

浩也は、フレアの前に出て、光の攻撃を受け止めようとする。

そんな浩也の行動に、フレアは嬉しさから涙を流した。

「大丈夫。どうなろうと…どんな姿になろうと…あたしは、あなたとともにいます」


「お母様!」

「死になさい!」

リンネの手から、光が放たれた。

その赤い光は、太陽の輝きさえも打ち消した。


「さよなら…浩也」

フレアは浩也の背中を見つめながら、涙を拭うことはなかった。

「だけど…いつまでも、あなたのそばに…」




「うおおおっ!」

浩也は咆哮した。

次の瞬間、視界は光で真っ白になった。



すべてが消滅した。

そうリンネが確証した瞬間、光に亀裂が走った。

まるで…光のスクリーンが真っ二つに裂かれたように。

「な!」

次の瞬間、リンネの体にも亀裂が走った。

「ば、馬鹿な…」

リンネは信じられないものを見て、目を思い切り見開いた。

「そ、それは!?」

リンネの攻撃は、すべて吸収されていた。

「シャイニングソード!?」

斬られたリンネの体から、炎が消え…透き通った肌をした裸体を晒した。