「くそ!」

ジャスティンは蹴りが効かないと判断すると、魔物の足を蹴って、ドアの方に滑った。

ジャスティンがいた足下に、ドリルのような鼻が突き刺さった。

「か、固い」

ジャスティンは痛む足に、顔をしかめた。

「!」

ティアナは、トンファーを胸元でクロスさせた。

「先輩!気をつけて!そいつの肌は、鉄のように固いです!」

ジャスティンの警告も空しく、ライトニングソードを振るったティアナの前に、象の魔物は鼻を切り裂かれ、魔物自体も簡単に真っ二つになった。

切り裂かれた体が、左右に倒れる途中で、一つ目の魔物の股間から再び、爪が飛び出して来た。

ティアナは振り下ろしたライトニングソードを、一気に振り上げた。

爪は切り裂かれ、次の爪が飛んでくる前に、ティアナはライトニングソードを股間に突き刺した。

「こ、この強さ!」

魔物は股間から鮮血を噴き出しながら、ティアナを見た。

「人間離れした…その力が…」

魔物はにやりと笑い、

「貴様を孤独にする!」

そう言った瞬間、股から口を裂き、脳天までを切り裂いた。

魔物は真っ二つになっても、笑みを崩さずに絶命した。

「失礼なことを!」

ジャスティンは痛む足で立ち上がると、魔物の死骸に言い放った。

「先輩を、孤独になどさせるか」

「しかし…」

ランは研究室の中に入ると、部屋の様子を確認しながら、

「今の魔物は…核を撃たさなければならないと言った…」

「…」

クラークは部屋に入らずに、通路の壁にもたれた。

「行くわよ」

ティアナは、ライトニングソードをトンファータイプに変えた。

「絶対に、撃たしてはいけない」

「ですね」

ジャスティンは足を確かめながら、頷いた。

「やれやれ〜」

ランは頭をかき、

「魔物が、入ってくるとはね。やっぱり…研究所を変えなくちゃならないな」

ため息をついた。

「力ずくでも、阻止する!」

ティアナとジャスティンは、部屋を飛び出した。