「ふ、副司令!」

慌てて後を追いかける取り巻き達に、副司令官は前を睨みながら言葉を発した。

「やつらの体の構造はわかった。しかし、断じて!やつらは人間ではない!」

本部に入った報告により、やつらが細胞分裂後…いろんなものに変異していることが明らかにされている。

姿形や能力を個々で変える生物は、人間ではない。

「ライめ!恐ろしい生物をつくりよったわ」

副司令官の怒りは、ライに向けられていた。

癌細胞をベースにした人間もどき。

その発想は、悪意があり…かつ、人間に根本的な恐怖を与えることになる。

「全部隊に伝えろ!やつらは、人間ではない!討つべき敵だとな!」

人の姿をしたものから産まれ、人の形をした化け物。

士気が下がり、混乱することは明らかだった。

だからこそ、組織の上から敵だと認識させなければならなかった。

「やつらを見つけ次第駆逐せよ」

副司令官は歩きながら、両拳を握り締めていた。