「御機嫌よう!あなたが、天空の女神ね」

女は人間の女の死体を、一度ぎゅっと踏みつけた後、前に出た。

その両手には、首を絞められて絶命している2人の人間の男を掴んでいた。 その為、三人に見えたのだ。

「く!」

アルテミアは、苦悶の表情で死んでいる男達を見て、顔をしかめた。

「あっ!これねえ」

アルテミアの視線に気付いた女は、アルテミアに向かって両手を差し出した。

「男って、絞められるのが好きって訊いたから…。でも、やっぱり〜こいつら弱すぎだわ」

「貴様!何者?」

「飲む?御姉様。まだ血は残っているわよ」

クスッと笑った女に、アルテミアは虫酸が走った。

「お、御姉様だ、だとお!」

「あら!そうじゃない」

女は意外そうな顔をして、

「あたしも御姉様も、王であるお父様に造られたのよ」

両手に掴んでいた男達を離した。

地面に落ちる音を聞きながら、アルテミアは仕掛けるか迷ってしまった。

「知ってる?御姉様」

女は、タイミングを図っているアルテミアに微笑み、

「神は、自分に似せて…最初の人間を創ったの!そして、今!神は…新たな人間を創ったの!今いる旧タイプの人間を抹殺して、あたし達の子供達が、世界を支配するの!」

女はにやりと笑い、

「どう?素晴らしいでしょ?」

アルテミアに、さらに近付こうとした。

「下らんな」

アルテミアは、ライトニングソードを下げると、2つに分離させた。

「お前の子供達は、人間じゃない!ただの虫けら!いや!虫けら以下だ!」

「な!」

驚く女の前に、トンファーを持つアルテミアがゆっくりと構えた。

「それに…あたしは!ライが創ったんじゃない!人間のお母様が産んでくれたんだ」

「に、人間の…お、お母さまあ〜!」

その言葉を訊いた瞬間、女の表情が変わった。

「なあ〜んだ!あんた」

女の顔から、笑みが消えた。冷たい目で、アルテミアを睨んだ。

「旧タイプのクズの子供なんだ」

「フン!」

アルテミアは、トンファーを回転させ、

「どっちがクズか教えてやる」

一気に間合いをつめた。