「ま、魔神を造るだと!?」

1人の甲虫に似た魔神が前に出て、2人を指差し、

「我々は、魔王ライ様に創られた!貴様らごときに!我々が創れるか!」

「ウフフフ」

女は笑うと、男の方に近づいた。そして、男の首に手を回すと、キスをし…人間のような性行為を始めた。

数分後、女の腹が膨らんだ。その腹を擦りながら、ニヤリと笑うと、女の股の間から、血まみれの肉の塊が落ちた。

その塊は、5つに細胞分裂をすると、一気に2メートル程の大きさに、膨張し…見たことのない魔神に変わった。

「ウフフフ…」

女は産まれたばかりの魔神の頭を後ろから撫でながら、命じた。

「さあ〜お前の力を見せておあげ」

産まれたばかりの魔神は、目の前で顔をしかめている甲虫に似た魔神をじっと見つめた。

すると、姿形がそっくりとなる。

「コピー能力か…」

カイオウが目を細めた。

「きええ!」

奇声を上げて、甲虫に似た魔神に襲いかかる産まれたばかりの魔神。

「クッ!」

自分そっくりになった魔神を見て、身を捩る甲虫に似た魔神の前に、誰かが飛び込んで来た。

「下らんな」

腕を突きだすと、産まれたばかりの魔神を吹き飛ばした。

「これは、これは…騎士団長ギラ殿」

女の言葉に、魔神達の間に割って入ったギラは、鼻を鳴らした。

「フン!魔力は、同じくらいだが!知性が無さすぎる」

ギラの言葉に、女は笑い、

「知性などいらないのですよ。忠実に、命令さえきいたらね」

集まった魔神達を見回し、

「こんな王の命令も遂行できないもの達よりも、ちゃんと動いてくれますよ」

ギラに目をやった。

「それは、どうかな?」

ギラも女の目を見た。

「じゃあ〜試して見ればいい!」

産まれたばかりの残りの4人の姿が、変わった。

その見た目は、ギラと変わらない。

「ただ殺すことしか頭にない!4人の己に!殺されるがいいわ」

4人のギラは、手から雷撃を放った。