さよなら、もう一人のわたし (修正前)

「あたしも好き。セリフだけではなくて、ほんの何気ない仕草に果歩が気づいて、彼への誤解が一気に解けていくの。このために前半の時間は存在していたんだなって素直に思えて」

 千春は優しく微笑んでいた。

 彼女の微笑みを見て、あたしは必要以上に語りすぎたと気づく。

「ごめん。あたし、つい熱くなってしまって」

 思わずあれこれ語ってしまったことを恥じていた。

「この映画、いつ見たの?」

 千春の口からそんな疑問が零れる。

「お母さんが好きな映画だったの。ビデオに撮っていて、それを何度も見たの」
「親子で好きだったのか。それは意外だったかも」

 不思議そうに千春は言った。

「ミーハーな親子でごめんなさい」