さよなら、もう一人のわたし (修正前)

「だから、あ・な・た」

「はい?」

 あたしの頭の思考回路が全てストップしたような気がする。そんな感覚だったのだ。

「だから、あなたはどうかなって推薦しておいたのよ。伯父さんにね」

「にね、じゃなくてあたしには無理よ。絶対無理」

「でもオーディション出ていたじゃない? あれは映画の主演を決めるものよ?

 それってあわよくばって希望もあるでしょう?」

 彼女は痛いところをついてくる。

「あるけど、合格したらそれなりに認められたってことでしょう? そんなわけでもないのに、突然そんな話をもちかけられても困るでしょう?」

 千春は目を見開く。

 彼女は分かってくれたのかもしれない。

 あたしがそう思ったときだった。

「一応、伯父の厳しいチェックは入ると思うわ。もしかしたらダメと言われるかもしれない」