千春からは何度か電話がかかってきた。


 あの後、体調を崩してしまったらしい。

 しばらくは兄の家で療養するとのことだった。

 電話越しに聞く彼女の声はいつもの彼女のもので、あたしは元気な彼女の様子を確認し、なんだか安心してしまっていた。