さよなら、もう一人のわたし (修正前)

 今度はさっきのような触れるだけのキスではなかった。彼の舌があたしの口の中に入ってきた。

 あたしは何もできずに、ただ彼にされるがままになっていた。

 そして、再び離れる。

 彼の唇がそのままあたしの首筋を這うように動く。

 彼の息が体に当たり、あたしは自分の体が熱くなるのが分かった。

 自然と息が荒くなってくる。

 しかし、それ以上、彼があたしに触れることはなかった。

 あたしは目を開けた。

 尚志さんは皮肉っぽい笑みを浮かべていた。

 そのとき、あたしはどうして彼があたしにキスをしたのか分かった。