さよなら、もう一人のわたし (修正前)

 でも、その相手が杉田さんという限定条件で受け入れられた。

 他の人だと嫌だと思ってしまう私はプロ意識が低いのだろう。

「じゃあ、俺ともキスしたいと思うのか?」

 少し卑屈めいたような声。

 もしかすると、あたしに対する卑屈めいた気持ちや、嫌味もあったのかもしれない。

 でも、そのときのあたしは彼の嫌味など気にもせず、ただ、頷いていた。

「ならしてやるよ」

 彼があたしの体を壁に押し当てた。

 あたしは突然のことで意味が理解できなかった。

 尚志さんの唇があたしの唇に押し当てられる。

 あたしはゆっくりと目を閉じた。

 尚志さんの唇があたしの唇から離れた。

 そう思った直後にもう一度唇を押し当てられた。