さよなら、もう一人のわたし (修正前)

「でもあなたはきっと、変わらなければすっぱりと止められるわ。だから、これからのことを、あなたの幸せをね、ゆっくり考えてほしいの」

「あたしの幸せ?」

 それって何なのだろう。

 夢を叶えて、スポットライトを浴びること?

 でも木下さんはそのことに批判的なようだった。

 正直分からない。

 でも、それだけではなく今まで信じていたことがどこかずれていたのだと気づく。

 千春が自分の母親に対してたまに批判めいたことを言うのはそうしたことがあったからなのだろうか。

 変わらないこと。

 それが一番難しいのかもしれない。