さよなら、もう一人のわたし (修正前)

 それなのに。

「彼もいずれ消えていく可能性が高いと思う。そうならないために彼のマネージャーに藤井さんをつけたのかもしれないけど」

「そんなにすごい人なんですか? それに杉田さんだってあれだけ上手なのに?」

「彼は結構なやり手だと思うわ。そうでないとあれこれ仕事を取ってこれない気はする。もちろん、彼の容姿とか演技とか全くなくはないけどね」

 彼女はそこで言葉を紡ぐ。

 そして天を仰ぐ。

 彼女は言いたかった言葉を呑みこんだように見えた。

「そんな世界だから。そういう人をいっぱい見てきたの。

どちらかといえば、やっきになってあなたに嫌がらせをしていたあの子、沢井ひろみだっけ? あれくらいの子のほうが上手くやっていけると思うわ」