一週間後、千春のお父さんは「また来る」と言い残し、帰っていった。

 今頃、家についているだろうと思う。

 そんな折、木下さんがあたしの部屋にやってきた。

 彼女はあたしの部屋に入ると、息を吐く。

「ちょっと気になることがあるの」

 深刻そうな思い悩んだ口調。

 あたしの胸がどきっとした。

「何ですか?」

 彼女は物語を読み上げるようにゆっくりと語りだす。

「あなたってこれから先、この仕事をやっていきたいと思う?」

「え?」

 あたしは杉田さんに同じことを言われたことを思い出していた。

「まだ、分かりませんけど」

 彼女はあたしの部屋のドアにゆっくりと体を持たれかける。