さよなら、もう一人のわたし (修正前)

 あたしたちが撮影を終え別荘に戻ると、尚志さんがと彼の父親が玄関で話をしていた。

「今日はここに泊まればいいじゃないか」

 その言葉にあたしの胸が高鳴る。同時に息苦しさを覚える。

 彼と話ができるかもしれないという期待と、

 また無視されるかもしれないという不安だった。

 しかし、次から聞こえてきた言葉は

 あたしの期待をあっという間に裏切ると同時に安堵させた。

「いえ、俺はこの近くにホテルを取ってますから」

「お兄ちゃん? いつの間にホテルなんて」

 千春は驚いたように彼に告げた。

「お前はここに泊まるだろう?」

 千春の視線があたしに投げかけられる。