さよなら、もう一人のわたし (修正前)

「そう。すごく仲いいよね」

 少し震える声でそう告げた。

「そっか。それなら敵わないよな」

 彼は肩をすくめると、天井を仰いだ。

「どうして?」

 言わなければいいのに、そんなことを言っていた。

 自分で傷を抉るような真似をして。

「ずっと君が好きだった人がどんな人だったか気になっていたから。すっきりしてよかったかな、ってね」

 彼に言われた言葉が蘇る。

 あたしは彼が好きだった。

 やっぱりそれは変わらなかった。

 でも、ここまで頑張れたのは杉田さんがいたからだった。

 あたしは何も言うことができなかった。

「変な話して、ごめん」

 あたしの表情の変化に気づいたのだろう。彼は慌てたようにそう言った。

 そのとき杉田さんの部屋がノックされる。

「そろそろ撮影を始めるぞ」

 成宮監督だった。

 あたしたちは目を合わせると、部屋を出ることにした。