さよなら、もう一人のわたし (修正前)

「ちょっと、いや、かなりわがままかもしれないね。でも、それはそれで彼女らしいかなって」

「妹さんのこと、大好きなんだね」

「そういうわけじゃないけど、昔から手がかかっていたから心配になるっていうか」

 彼の妹がわがままで手がかかるとは思えない。イメージ的には行儀正しいというイメージがある。

「いいな」

 あたしに普通にお父さんがいたら、彼らのように兄弟がいたのだろうか。そう思うとなんだか不思議だった。

「さっきの男の人って千春のお兄さんだったんだね」

 彼は穏やかな口調で話しかける。

 あたしが失恋したとき、彼もあたしの傍にいたからだ。

 あたしは内心、彼がそのことに触れるのではないかとびくびくしていた。