さよなら、もう一人のわたし (修正前)

「お父さんかあ、いいね」

 あたしは杉田さんの部屋にいた。

 ああやって話をしているのを見ると、羨ましくなってくる。

「君の家は、お父さんが」

「いないの」

 彼は父親ではないのだから。そう言い聞かせる。

「話ができたらしてみたい?」

「聞きたいことはいっぱいあるよ」

「そっか」

 彼は寂しそうに微笑んでいた。

「でも、僕の妹はあまり父親と話をしないから、君くらいの人はそんなものだと思っていたよ。千春は別としてね」

「妹? いるの?」

「うん。二歳年下の妹がね」

 ということはあたしたちより一歳年下だった。

「どんな子?」