さよなら、もう一人のわたし (修正前)

 彼女の中にはいろんな気持ちが渦巻いているのだろう。そして、彼女は発すべき言葉を模索しているのだろう。そう思った。

「ただいま」

「もういいの? お母さんのことは受け入れられたの?」

 最初の反応は似ていた。でも、自分の兄に比べてあくまで理性的に語りかける。

 それが彼らの違いなのかもしれない。

「もう受け入れたよ。本当にすまなかった。ずっとほったらかして悪かった」

 杉田さんがあたしの傍に寄ってきて、肩を叩く。

 あたしたちは部屋の外に出ることにした。

 家族の話にこれ以上深入りする必要はないと考えたからだ。