さよなら、もう一人のわたし (修正前)

 千春は昼過ぎにはここに着くと言っていた。

 あたしは彼女の訪問をただ待っていた。

 今日は昨日とはうってかわって快晴だった。

 本当なら撮影日和なのかもしれないが、あたしたちの撮影は杉田さん待ちとなっていた。

 彼も千春と一緒にやってくるはずだった。

 玄関の扉が開く音が聞こえた。

 リビングにいたあたしは彼女を迎えに玄関まで行く。

 あたしは部屋から出たときに言葉を失った。

 そこに立っていたのは小柄な少女ではなく、長身の男の人だった。

 彼の身長の割には短い影が家の中に差し込んでいた。

 彼が来てもおかしくはない。

 むしろ、当たり前だったのだ。

 あたしの中で今まで忘れていた痛みが蘇る。