さよなら、もう一人のわたし (修正前)

「何であなたがいるのよ」

「あたしの別荘が近くにあるし。何か不都合でもあるの? いじめの現場を怖い人に見つかりたくなかったとか?」

 千春がこんな挑発的な言葉を続ける場面を今まで見たことはなかった。

 彼女がどれほど怒っているのか。

 それが分かった気がした。

「あなたたちって馴れ合いの関係だからね。友達ってだけで主役になれていいわね」

 そんな彼女の言葉を千春は鼻で笑う。

「まさか。彼女しか演じられないと思ったからよ。あなたがあたしの親友でも選ばなかったと思うわ。そんな卑屈な人間に彼女が演じられるとは思わない」

「あなたの伯父さんだってその女の母親に言われて承諾したのでしょう? そんな噂が流れているのよ。火のないところに煙はたたないって言うし」