さよなら、もう一人のわたし (修正前)

 彼にあらゆる手段で接近しようと思っていたみたいだが、彼には気づいてもらえなかった。

 その代わり、彼は得体の知れない行動を取る彼女たちを気味悪がっていたのだ。

 彼にははっきり言わないと通じないとは思う。

「そりゃあね。でも、撮影が終わるまではトラブルはまずいって」

「あたしが勝手にしたことだからいいのよ」

 千春は聞く耳を持っていない。

 彼女はゆっくりと固まっている二人に歩み寄っていく。

 千春はなめまわすように二人を見つめた。

「そういえば、あなたの事務所の人もしつこかったわよね」

 千春は田中文子を睨む。

 彼女はひろみの後ろに隠れた。

「あなたを選ばなかったことをまだ根に持っているの?」

 彼女は何も言わずに千春を睨む。

 でも、彼女は怯まない。