その日の夜、千春から電話がかかってきた。

 彼についての話題だった。

「どう?」

「いい人だね」

「京香と気が合うと思うの。よかった」

 千春はそう嬉しそうに言うと電話を切った。




 尚志さんのことは気になる。

 でももう気にしても仕方ないということもまた分かっていたのだ。