さよなら、もう一人のわたし (修正前)

 あと、千春が言うにはあたしの学校はいろいろ厳しいらしく高校中退にでもなったら大変だと言っていたからかもしれない。

「聞いていいですか」

 彼はあたしと目を合わせることもなく答えた。

「何だい?」

「母と知り合いですか? 何か話でもしたんですか?」

「君の母親、ね」

 彼は苦笑いを浮かべていた。

「何ですか?」

「いや。なんでもない」

 彼は顔を強張らせながらそう言った。

 怖がっているのだろうか。それとも悩んでいるのだろうか。

 あたしにはよく分からなかった。