さよなら、もう一人のわたし (修正前)

 彼は笑顔を浮かべた。

 優しい笑顔だった。

 彼は言葉を続ける。

「本読んだり、空を見てぼーっとしたりとかそんなところだからね。たいした趣味じゃないかも」

「あたしも本を読むのは好きですよ」

 あたしは彼にそう告げた。

「どんな本?」

「図書館で借りる本だかりだから古典文学が多いですね」

 本も安いものではない。あたしの家はあまり購入する余裕はなかったからだ。

「うちには腐るほど本があるからね。ほしい本があったら貸すよ。といっても新しい本は千春が買ってきたものばかりだから君の趣味に合うかは分からないけど。図書館と違って返却期限がないのは便利だと思うよ」