さよなら、もう一人のわたし (修正前)

「いえ」

 そのままでもよかったのに、とはさすがに言えない。

「でも、本当に人が多いな。休日の日にわざわざ出かけなくても……」

 尚志さんがあたしを見た。

「別にそんなつもりじゃなくて」

 あたしと一緒に出かけたのを後悔しているのではないかと思ったのだろうか。

「いえ。尚志さんはどこかに出かけるのが嫌いなの?」

「正直、あまり好きじゃないかな。人が多いのは苦手だし」

「意外」

「そうかな」

「人見知りとかしないし、外に出かけるのが好きなのかなって思ってた」

 彼は肩をすくめる。

「そんなことはないよ。家でのんびりしているほうが好きかな」

「尚志さんの趣味って何ですか?」

「俺には敬語使わなくていいよ。あまり年上面する気もないし」