｢杉田先生って、なんだか不思議な人ですよね。｣
練習を再開し、中津を始めとする部員たちは、ﾎﾞｰﾙを追いかけて走る。
俺はその光景を篠原と二人、座って見ていた。
｢不思議って？｣
突然篠原が話しかけてきたから、気は進まないものの聞き返してみる。
｢あ…いや、なんとなく…かな？普通の人っぽいけど、何かが違うんです。あっ、ごめんなさい…急に変なこと言ったりして。｣
｢いいよ、別に。確かに俺は…普通じゃないしな。｣
そう答えながら、こっちに飛んで来たﾎﾞｰﾙを受け止めて部員に投げる。
｢でも篠原は…裏表なんてなさそうだよな。｣
何言ってんだ、俺？
｢…そうですか？｣
｢うん。なんだか…俺にはない純粋さ？みたいなものをお前には感じる。｣
今日はだいぶおかしいな…
