「別にいいぞ。50人が51人になったって、どうってことないし…」



今回の補習は学年全体の成績下位者、つまり下から数えて50番目までの人が対象となる。



ちなみに、悠哉はその中でも結構下の方にいる。



私と同じ高校に受かる為に必死になってた、あの努力を今もすればいいのに…



悠哉はしないんだよな─



2年に進級出来たことが奇跡のようにも思える。



「じゃあ…行きます。」



「…ん」



いつもの先生なら、普通に来るなって言うのに…



もしかしたら、これが先生の本当に近い姿なのかも─



「先生、補習って日本史だけをするんですか?」



「いや…後は古典と数学、生物に化学ぐらい。」



それ…
全部先生がやるの?



大変じゃん…!



「…高橋先生は1人で全部やってたらしい。だから俺も…英語以外はやる。」



「どうして英語だけ…?」



「嫌いなんだよ─」



あるんだ…
先生にも嫌いなもの。