中津…
あぁ、そうだったな。



あいつは下位補習の常連者だって、他の先生が話してるところを聞いたことがあるな。



ちなみに…



この篠原は、中津とは違って勉強がよく出来る。



いわば…優等生だ。



「でも…先生が担当なら、私も悠哉と一緒に補習出よっかな?」



必要ない…特にお前は。



今回の補習は、成績下位の生徒たちの為に行われるテスト対策だ。



そんな所に篠原が行ってもためにならないだろ…



「先生、行ってもいいですか?」



本気かよ…



「なんでお前が……ん?」



篠原に反論しようとした時、頭に何か冷たいものが当たったような気がした。



空を見上げると…
今度は頬に当たった。



黒い雲…
さっきの冷たいのは雨か─



今日の天気は曇りで、雨は降らないはずなのに…



「あ……雨だ。」



天気予報は外れた。



傘…持ってきてないな─