だって…
かーくんが心配するから─



泣き虫な私を置いて行くこと、かーくんはきっと悪く思ってる。



今泣いちゃったら…



自分の全てを駆けて、私を守ってくれたかーくんに申し訳ないもん…



「だい…じょう、ぶ。言ったよね…あの時。私…ずっと、待ってるよ?」



『希……』



「…私のことはいいから、心配しないで、いいから…かーくん。私、待ってるから…早く、帰って来てね?」






本当は行って欲しくない。



かーくんにはこれからもずっと、私の側にいて欲しい。



だけど…
それは今は叶わない。



だったら…
これを1つの試練と考えよう。



私とかーくんの『絆』を試す、1つの試練として─









電話を切った後も、私は絶対に泣かなかった。



強くなる…



私は、強くなる─



そうしないと、かーくんが安心して異動先に行けないから……