♪〜♪〜♪〜♪〜



あれから2週間が経った。
場所は、放課後の屋上。



俺は1人、特に何も考えず、ハーモニカを吹いていた。



このハーモニカは、少し前に陽翔が俺にくれたものだった。



初めはなかなか上手く出来なかったけど、今ではだいぶよくなったと思う。



透明感があるというか、何故だか惹かれるこれの綺麗な音色が、俺は好きだ。






「一真。」



そんな時、俺の名前を呼ぶ声がして、振り向くとそこには陽翔が立っていた。



「陽翔……」



「ま〜た1人で吹いてんのか?全く…飽きないな。」



陽翔は俺の隣に座り、空を見上げてそう言った。



「あぁ…」



俺は生返事をして、手に持っているハーモニカを見た。



「でさ、一真…その後、どうなったんだ?」



その後…



陽翔を見ると、真面目な顔をして俺を見ていた。



「あぁ…俺多分、ここにはいられなくなるな─」