怖いんだ…
また、失ってしまいそうで─



俺はもう二度と、温もりを失った冷たい人間には戻りたくなかった。



だから…



離れないように。
消えないように。



そう願いながら、俺は希の温もりを感じていた。



でも…
このままではいけない。



揺れる思いの中、俺は覚悟を決めて言った。



「………希。」



俺は、希とちゃんと目線を合わせた。



すると希は…
何かを感じ取ったのか、悲しげな目をしていた。



「な……、に…?」



希を守る為だ。



こんなことが起こるのは、予想の範囲内だったはず。



それをわかった上で、俺は希と一緒にいる覚悟を決めたはずなんだ。



だったら…
これくらい、耐えられるはずだ─






「しばらく…会うのやめよう。」