それに、こっちの方が絶対に可愛いあだ名だもん。



呟くように言った後、私は席を立ち、先生…ううん、かーくんにそっと抱きついた。



「え…ちょっ、希??」



「………」



ここが教室だとか、それはとても大事なことだけど、今は関係ない。



ただ…
こうしていたかった。



泣き虫な私だけど、今は泣くよりも…大好きな人の温もりを感じていたかった。



「ったく、なんだかわかんないけど…今日は一段と甘えん坊なんだな。」



私の突然の行動に始めは驚いていたかーくんだったけど、そう言った後は優しく抱きしめ返してくれた。



「なぁ、ここがどこだかわかってやってる?」



その質問には、言葉は使わずに頷くだけで答えた。



「確信犯…か。ま、別にいいけど。…可愛い希が見れたし。」









その時は知らなかった。



もう1つの試練が…
すぐそこに来てたなんて─