俺は幼なじみ…
篠原 希のことを─



ずっと好きだった。
ずっと傍にいたのに…



勇気がなくて、俺はその気持ちを希に伝えることすら出来なかった。



それ以前に、わかってたから…
希の気持ちを。









高校に入り、希はバスケ部のマネージャーとして俺たち部員を支えてくれていた。



マネージャーだから、当然バスケ部の顧問である杉田と話す機会はたくさんある。



冷たいけど、人気がある先生…それが杉田だった。



希と2人きりで話している光景なんて、何度も見たことがある。



でも…
2人は教師と生徒。



同じ高校生同士なら、あんな落ち着いた気持ちで2人を見てはいられなかっただろうけど…






2人は恋仲にはならない。



その自信が…
俺を安心させていた。