相変わらず余裕な顔で、ﾄﾞﾘﾌﾞﾙをしている先生。
勝つ……よね？
先生は昔ﾊﾞｽｹやってたんだし、悠哉なんか簡単に蹴散らしてくれるよね？
大丈夫……大丈夫……
自分にそう言い聞かせながら、私は先生を見る。
｢……………｣
静かな体育館には、先生がﾄﾞﾘﾌﾞﾙをする音だけが響いている。
緊張してきた─
私と悠哉が見守る中、先生は1回目のｼｭｰﾄを打つ。
ﾎﾞｰﾙは真っ直ぐｺﾞｰﾙに向かって飛んでいき、そのまま吸い込まれるようにｺﾞｰﾙに入っていった。
｢……すげぇ。｣
悠哉が呟く。
確かに…すごい。
ｺﾞｰﾙはあんなに離れてるのに、先生のｼｭｰﾄを見てると、まるですぐ近くにあるかのように思える。
さすが…先生だね。
