「………ぇ!!」



なに…?
よく聞こえない─






葉月に刺されて、篠原が無事だって確認して…



それから記憶がない。



ちなみに俺は一応、生きてはいるようだ。



微かにだけど、救急車のサイレンの音や、周りの人の声は聞こえたし…



にしても…
すげぇ痛かった。






明らかに様子がおかしい葉月に警戒はしてたが、まさかあんな行動に出るなんて…



とにかく俺は、篠原を守らなきゃいけないと思った。



この際、自分がどうなっても構いはしない。



その一心で、俺は篠原と葉月の間に入った─






「…先生!?」



「杉田、起きろ!!」



んん…?
なんだよ、騒々しいな。



誰かの声が聞こえ、俺はゆっくり目を開けた─