「葉月…てめぇ!!」



えっ…?
どうしたの…?



「なんで…カズ!?」



「……理由なんて、ない。俺には…こいつを守る…ッッ!義務が、ある…」






ようやく理解出来た─



私はさっきの一瞬、葉月さんに刺されかけたんだ。



安心しきってた私は、それに気付いてなくて…



私より先に気付いた先生が、咄嗟に葉月さんと私の間に入って…



「先生…!!!」



考えてる暇はない。



私を守ったせいで、先生は葉月さんが隠し持っていたナイフで左脇腹を刺されて…



真っ赤な血が…
地面に広がっていた─



「篠原…大丈夫、か?」



「喋っちゃダメだよ!!えっ…と、どうしたら…?」



焦っていた私は、その場で呆然としている葉月さんのことなんて、目にも入らなかった。



とりあえず携帯で救急車を呼び、電話の向こうにいる救急隊員らしき人の指示に従った。