秘密の恋。
それは…



幸せよりも、苦労の方が多いように聞こえる。



けど、その苦労こそが幸せなのではないかと、俺はさっき気付いた。



「先生…?」



「ん…何でもない。」



それともう1つ。
俺が発見したこと。



さっき中津に彼女がどうとか言ってたことを聞かれた時、俺はイライラした。



生徒に向かってイライラなんて、教師らしくないけど…



あの気持ちは多分─



「先生…葉月さんに電話する時、言って下さい。」



「え…なんで?」



「…気になるからです。」



篠原は俯いて、小さな声で呟くように言った。



「お前…ヤキモチか?」



「なっ///…先生!!」



みるみるうちに顔を真っ赤に染める篠原を見て、俺は笑ってしまった。



「先生…笑った?」



「悪いか?冷徹人間でも、笑う時はあるの。」