突然鳴り響く携帯。



手に取ると、表示されているのは『一真』の文字。



一瞬迷って、私は通話ボタンを押して電話に出た。



「もしもし?」



『…美久。ちょっと話…今から会えるか?』



「わかった。今日は仕事ないから…家にいるわ。」



『すぐ行く。』






電話を切った後、私はベットの上に携帯を投げた。



まだ…抜け出せないの?



一真は高校教師。
でも…そう見えない。



生徒や仕事仲間に見られでもしたら、どうなるかなんてわかってるはず…



でも…
一真は私に会いに来る。



それは彼氏としてではなく、ただの遊び相手。



私もそれを理解して、一真と過ごす。



こんなの…
よくないと思いながら─