「大丈夫か?まぁ…んな訳ねぇだろうけど。」



山城 迅【ヤマシロ ジン】



大学の友達で、俺と同じ夢を持っている奴だ。



「迅…俺、」



「言わなくていい。お前も…話したくないだろ?なんとなくだけど、聞かない方がいいような気がする。」



そう言って、迅は俺にコーヒーを入れてくれた。



「電話…いいのか?」



迅の部屋には、俺が投げ捨てた携帯が鳴っていた。



「今更…もう遅いよ。」



あんな光景を見たにも関わらず、俺は暴れ回ったりしないみたいだ。



ショックは大きいけど…



「尋常じゃねぇな…」



「あぁ。」



迅は何も言わなくても、俺の気持ちを理解してくれた。



「気が済むまでここにいろよ。俺で力になるなら…」



「…ありがと。」






それから、葉月と恭平とは一切連絡を取らなかった。








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