俺らしくもない…



純粋だと?
そんなの…綺麗事だ。



人間なんてものは、自分以外の人間を平気で裏切り、傷付ける生き物なんだ。



俺だって…
『あいつ』だって…



みんなそうなんだ─



「純粋かぁ…それって、綺麗な言葉ですよね。」



篠原がそう言ったのとほぼ同時に、練習試合をしている中津がシュートを決めた。



「純粋さ…私はあると思いますよ?先生にだって。」



えっ…?



「だって…先生は、嘘を付いたりするような人には見えないですから。」



違う…
俺は嘘だらけだ。



篠原は…
何も見えていない。



俺が見せてないだけなんだけど、篠原にそう言われて少し悲しくなる自分がいた。



本当ヤバい…
今日は調子悪いな。