『かっ、母さん、幸也君の前で、そんな昔の事を…』
父親が、なだめるように母親の肩を抱く。
『だって…本当に苦しかったんですもの…』
『許しておくれ、今はお前だけだよ…』
『貴方…』
『お前…』
見つめ合う2人
段々と近づく唇の距離
『おっ、おじゃましましたあーっ!!』
俺は、慌てて玄関扉を閉めた。
志賀のホテルでも思ったが、あの両親の仲の良さは、半端じゃない!
めるが、愚痴るのも解る気がするが…やはり、何歳になっても仲が良いと言うのは、うらやましい限りだと思った。
・・・ってか、そんな事思ってる場合じゃない!
早く、めるを探さなきゃ!!
俺は、車に乗り込み、キーを回した。