そんな事を思ったら、また涙腺が刺激された。
『そんな目で、見るな』
幸也が、掠れた声で囁く。
『そんな目で、見られたら、お前をめちゃくちゃにしたくなる!』
両手が、背中に回る
グイッと力強く引き寄せられて、窒息しそうな程抱き締められた。
めちゃくちゃ?
それも…いいかもね。
お互いに、ただの遊びなら
遊びのまま、壊れちゃえばいい…。
こうして、力強く抱き締め合って
粉々に、跡形も残らず、砕け散ってしまえば、何も苦しまなくて済むのに・・・
その後
幸也の部屋で、彼に荒々しく抱かれながら、あたしはずっと、そんな事を考えていた。
幸也の指先が、唇が、あたしの五感、全てをただのメスに変える。
彼の腕の中で、喘ぎ続けるあたしには、もう、理性、恥じらいなんてものは無くて、もっと、抱いて欲しいと、本能のまま 彼にしがみつくだけだった。
『める!』幸也が何度も耳元であたしの名前を囁く。荒くなった2つの呼吸が近づいた口元に重なり合う。
彼と1つになった時
あたしの目に映ったのは
夜空いっぱいに輝く、色とりどりの滲んだ花火だった。