合宿、中体連と行事が終わり、聡美先輩が日記を持ってきた。


「はい、これ遅くなってごめんね。」


「いえ、大丈夫です。」


聡美先輩は部長や放送委員、全校朝礼の司会もやるぐらいで、おまけに受験生。


忙しいんだろう。
とは思ってたけど、久しぶりの日記には心踊る。


いい先輩として尊敬の念も出てきて、同時に誇らしかった。



「ヤター!日記忘れられてるかと思ったよ。何書いてあるのかな~♪」


まるで予約してた本がやっと読めるようなワクワク感を持ちつつページを開く。


「わーやっぱきれいだな。字うまい。私も3年になったらこれぐらい書けるのかな?」


ふんふん。

日記には好きな曲や普段やったこととか先輩の新しい情報が書かれていた。


「あ、先輩授業中に書いたんだ。意外。」


今、音楽のじかんとか書いてある。

ダメじゃん。ぷぷと笑ってしまう。


先輩の日記は1ページごとに違う日に書いているようだった。


『そういえば、この前の合宿つかれたね~』


へ~それほどでもなかったけど…。


このときの私は部長や3年生(部を担う側)の苦労など全く想像できなかった。


『合宿は好きだけどね。

夏休み前には超きつい強化合宿があるんだよ~ん。(涙)』



「え!!??え!?」


強化合宿!?
超きつい!?

イヤーー。


バタンと思わず日記を閉じてしまった。


思わぬ告知。